C#プログラマは、Rustの何に学びづらさを感じたか?

最近、スキルセットの刷新を図ろうと四苦八苦しています。
プログラマとしてミドルクラスぐらいのキャリアを歩んできたつもりでいますが、スキルセットの刷新の中で学んでいるRustについて、やや学びづらいと感じるところがあったので、言語化してメモに残しておこうと思います。

C/C++での経験はあるものの、最近はもっぱらC#でプログラムを書いていますので、そういうバックグラウンドの人がもつ、ひとつの意見です。

今、この変数の所有権が誰にあるかを考えておかないと、エラーに悩まされる

C#から見ると「プログラマが把握しておくべきこと」がメモリから所有権になっただけという印象が学習のつらさにつながっていると感じます。

自分で定義してあれこれやっている変数ならまだしも、ライブラリを介して得るようなデータ(例えばコマンドライン引数の分解など)は、結局書いてみてからコンパイラのエラーを参考に修正するような作業が頻発して辛さを感じました。(この手の繰り返し作業を要求するにしては、Rustのコンパイラは遅いと思います)

C#に似通った文法なので、文法に慣れない

これが地味に苦しいです。プログラムを書いていて、ボディーブローのようにじわじわと効いてきます。
あるコードの場所でカッコが必要なのかどうかとか、コマンドラインツールを作るときの書式指定子とか、細部が違っているところがイライラを募らせるなあと感じます。

IDEの補助が貧弱

(これは使っている環境によるもので、Rustのせいじゃないです)
C#の充実したIDEの補助に比べると補助が貧弱なので、相対的に物事を調べる時間が増加しています。

C#プログラマはMicrosoftのドキュメントを見慣れているというせいも多分にあると思いますが、 docs.rs のドキュメントには調べづらさを感じています。

特に、オブジェクト指向脳でドキュメントを見始めて、メソッドとメンバーと…みたいな事を考えてしまうケースがあり「いやいや、Rustはそうじゃないんだ」と、ドキュメントを読むためのマインドセット切り替えみたいなものに苦労させられています。

…ざっとつらさを書くとこんな所なのですが、逆にいえばそのぐらいの不満という感じで、エコシステムやライブラリの充実っぷりも、ネット上のリソースの多さもたいへん助かっています。(特にGeminiがRustについてよく知っていて、大変良いです)